第14章 趣味は身を助ける
そのころから県庁や地方自治体が 16mmフィルムで映像を収める時代が終わり、ビデオテープで広報ビデオを5年に1本作るようになりました。
これは好機と早速に営業に伺い、制作物の入札に参加したい旨お願いしましたが見事に断られました。
担当者曰く「役所の慣例で実績のない業者には頼まないのが通例です。別の処で実績を作ってください。」との事。
数百万から数千万の仕事を見ず知らずの映像会社に依頼することは当然のリスクであり、今では理解できるのですが、当時の自分には納得がいかず、「実績がないから最初の1本を作らせてください」と何度かお願いしましたが叶わず口論となり出入り禁止となったこともありました。
幸い地元で早くにビデ映像での制作会社を立ち上げたおかげで、まだ県内にライバル会社がおらず、その後多くの制作物を受注することが出来ました。
逆に実績が出来てしまうと、いとも簡単に入札やプロポへの参加依頼が増え、実績主義の行政機関との付き合い方を学ぶ重要な時期でした。
その後は県庁を主体に県内自治体を隈なく歩きました。
特に茨城県の旧県庁舎は昭和5年に建てられた4階建ての作りでしたので、一日何往復を似て階段の上り下りを繰り返しました。
お陰で足腰はとても鍛えられました。
ここで官公庁をメインに取引を考えている方にアドバイスをします。
指名参加にはランク付けがあります。営業年数、年間売上高、従業員数、類以実績、資本金等です。大きな数字ほどランクが上がり高額の入札に参加できますので、営業年数以外の部分はできるだけ大きな数字を目指してください。
当時官公庁の映像物はお堅い物が主流でしたが、奇抜なアイデアを提案して差別化を図り全国放送番組やテレビCM、広報ビデオ等も手掛けるようになりました。
「好きこそ物の上手なれ」という言葉がありますが正に趣味が大いに生かされた訳で「趣味は身を助ける」です。
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