第23章 経営に対する大きな転換期
しかしホームページ制作の事業も順調に売り上げを伸ばし、まるで製薬会社の栄養ドリンクのCMのように24時間働くような毎日でした。
毎週契約が決まるので月のカレンダーに土日祭日が無ければ営業に出向いて、もっと売り上げが増えるのにと考えたほどです。
両耳に電話を抱えてまるで漫画の一コマのようでした。そうした自分にビジネスマンとしての優越感を持っており、「もし自分の分身が後2人いたら、北関東ではとトップクラスの企業になれるはず」と本気で考えていました。
こうした時期に突然社員の半数が退社するという重大な出来事が起こりました。
後にわかったことですが、社員が申し合わせて退社し同様の会社を作ったことが分かりました。私は唖然として言葉を失いました
しかしその頃の私は売上をもっともっと伸ばしたいという気持ちと驕りで社員を、売上アップのための一つの駒としか見てなかったのです。
そうした経営者の姿から当然の報いだったのだと今は思っています。
社員の半数を失った会社はその後の事業で大きく売り上げを下げていったことは言うまでもありません。
しかしこの事件によって学んだ教訓から売上重視や自分自身の驕りを改め、社員一人ひとりを大切にする会社へと大きく舵を切りました。
その後、自社に取っては高額の数千万の仕事が舞い込みましたが、顧客からの無理難題に社員が苦慮している様を知り、即時作業を中止し丁重に断りました。
以前の私であれば顧客のどんな無理難題も堪え、売り上げを達成することを社員に指導していたと思います。
給与の見なおしから休暇の大幅な拡大、残業の廃止、成果配分の実施等出来る事はすべて見直しました。
その後入社した社員にも恵まれ、今は最も安定した会社へと移行できたのもある意味この出来事での教訓が大きく生かされたものと今では感謝しています。
又近年ではSDGsも宣言し、女性参画社会や外国人労働者等の雇用環境や脱酸素の推進による環境負荷にも挑戦して、なんとか人並みの企業に近づいたと思います。
