第７章　英会話会社からの独立

その2年後、道路拡張によるソニーショップの立ち退きを機に、ショップは閉鎖、赤字続きで英会話会社のお荷物的存在であったビデオリサーチを700万で引き取ることとなりました。

譲渡額７００万円の金額は27歳位の若造には途方もない金額に思え返済への不安は計り知れませんでした。

無論私が断れば英会話会社にとってはビデオ会社の価値は2足3文の価値でしたが、若気の至りといえば簡単ですが、元来持っている短気な性分と事業を軌道に乗せないまま終われないと思う気持ちが強く、何の交渉も経ず一つ返事で会社を引き取り、毎月自分の給与を返済に充てていきました。

貯金など無いので運転資金の融資を申し込むのですが、銀行での融資の経験が無く借り入れの仕方が全くまかりませんでした。

更に不味いことは銀行への借入申込書の事業内容にAV（オーディオ、ビジュアルの意味）機器販売と書いたところ、アダルトビデオ（成人向けポルノビデオ）の販売会社と勘違いされ即座に断られました。　笑い

資金0円で起業した方は大勢いると思いますが、マイナス700万からの起業は筆舌に表しがたい苦労でした。

英会話会社の便宜もあり借金も無事完済し、こうしてヘレナビデオリサーチが英会話から完全に独立していくわけです。　　

メーカーの後押しもあり、新たに場所を見つけソニーショップを再開しました。

当時ソニーといえばテレビ、ビデオ、オーディオ等で圧倒的な知名度を誇っていましたので、

時代の後押しもあり、家電製品の販売にも慣れ、それなりの売上を達成していきました。

無論VTRの普及には一番力を注いでいました。

ある時期は人生一度切りの思い出に甲子園出場球児の親が購入ターゲットになると考え、VTRを背中に担いで売り歩いたこともありました。

英会話で腕を磨いた訪問営業の経験は電気機器の販売にも大いに役に立ち、対面販売の面白さも手伝って益々仕事の面白さを実感していました。

そして分かったことは営業職こそ自分に合っていると言うことです。

極度のあがり症であった自分が営業好きになれたことはとても面白いものです。

今、赤面症やあがり症、口下手等で自分には営業職が向いていないと悩んでいる人がいれば是非これを読んで自信をつけてください。笑い