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第12章 好事魔多し
当時地方での結婚式は非常に派手で、数百人規模の列席者や4度のお色直しなど今では考えられない豪華さで、ビデオ撮影もこの頃にはほとんど注文が入りました。
当時ビデオテープは1時間しか取れず、2時間30分ほどの披露宴では3回ほどテープを交換する必要があります。
ある日、提携先のホテルで婚礼撮影の依頼がありいつものようにスタッフが撮影を行ったのですが、テープの交換を忘れてしまい2回目のお色直し入場のシーンを3分ほど撮り逃すという失態を起こしました。
報告を受けた私は幸い最初の入場やケーキ入刀といった最も重要なシーンで無かった事に安堵し、早めの対応で解決できると思い、即座にお詫びの為挙式者のもとに向かいました。
しかしお詫びどころか玄関すら開けてもらえませんでした。
その後当人の仕事帰りを待つ為、年末の最も寒い夜8時過ぎに毎日毎日お詫びに向かいますが、玄関が開くことはありませんでした。
厚手のコートで玄関に立っていては誠意が伝わらないと思い、黒の礼服で毎日極寒の中2時間ほど玄関に立っていました。
結局7日間通い詰めようやくお詫びを受け入れていただきました。
後に解ったことですが、お二人の馴れ初めがダンス教室であり2回目の入場では、出会った当時の思い出のダンスで入場したようで、ご両人にとっては披露宴最初の入場やケーキ入刀より重要な場面であり楽しみにしていたシーンであった訳で7日間話もしたくない気持ちは当然です。
婚礼撮影の要領も覚え、売り上げも順調に伸びた時期でしたので、身も心も凍りついた思い出でした。
昔の言葉で好事魔多し「物事がうまく進んでいる時ほど、意外なところに落とし穴があるという事」とはまさにこの事です。
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