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第18章 社会参画への目覚め

地元商工会議所の青年部会長に推挙されたのもこのころです。

そもそも商工団体に加入したのは、銀行で融資を断られたとき、会議所への入会を条件に

借り入れの便宜を図ってもらうためでしたので、会長になるなど夢にも思いませんでした。

借金の返済に追われながらの会長職は決して楽な事ではありませんでした。

事業と会長を一緒に勤めると、商工会議所の会長とは年に 200 日位行事や会議に行かなければならないので時間もお金も大変でした。

元々会議所青年部の会長は日本青年会議所の地域理事長経験者が受けることは定説で、これまでも地元有力企業の息子さん達がその対象です。昔で言えば有力大名のご子息がそれです。

私は前記述べた通り、母子家庭で持ち家は無く、無論名士の血筋でもないので言ってみれば小さな集団を束ねる野武士の様な存在です。

入会当初は誰も知り合いが無く、会議終了後の宴席では際にはいつも宴会場の壁際に座り、一人食事をする有様でした。

何故私が推挙されたのかその真意はわかりませんが、想像するに時代の閉塞感がありそれを打破るには型破りな人間にやらせることが良いのでは・との思惑があったのではと推察します。

ここで学んだのは、即断即決です。

仕事は毎日が戦場の様でしたから、様々な連絡が来た時点で書類棚に入れると忙しさにかまけて思い出せないため即時決断が必須なのです。

今でも来た案件は即日には返事するようにすることを学んだのはこの時代のお陰です。

商工会議所会長時代の活動で記憶にあるのが地元にコミュニティFM局を開局したことや、

常磐線の延伸に尽力したことです。FM局は残念ながらスポンサーが付かず実現しませんでしたが、常磐線の延伸はその後多くの人々の努力を経て、上野停まりだった終点が東京駅まで

延伸され東京・土浦間が50分で到着できるようになりました。

またこの頃たくさんの役職を務めることになりますが1年間で各会議に5日出席するとして、すべての会議に毎週参加していたことになります。

今振り返るとお金も時間も良く作ったものです。

しかし役職上全国の大会に多数出席したことで、多くの優れた若手経営者に出会うことが出来ました。

私のその後の励みになったことは言うまでもありません。